Gio Code 株式会社

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不動産を有償で処分する!?

2021年11月19日
代表取締役 趙 勝一

平素は格別のご愛顧を賜り厚く御礼申し上げます。
本日は不動産業者様よりご相談のあった案件をご紹介させて頂きたいと思います。

ある日、弊社に一本の問い合わせがありました。(A社とします)
A社:私の親戚(Bさんとします)が数年前に原野商法の被害にあって、場所もわからない土地を持たされてしまった。ホームページを拝見したところGioCodeさんは販売実績もある様だし、相談に乗ってくれないだろうか。

この様な問合せです。


2021年4月、所有者が不明な土地問題を解消するための民法や不動産登記の改正法が国会で成立しました。
土地や建物の登記を義務化し、怠れば過料を科すなどの罰則が予定されています。

国土交通省が調査した「平成28年度地籍調査における所有者不明土地」によりますと、「不動産登記簿上で所有者の所在が確認できない土地の割合」が発表されており、所有者が不明の土地は調査結果の約20%を占めていました。

今後も人口の減少や高齢化に伴い相続の機会が当然増加するでしょうから、所有者が不明だったり、複数の相続権者の折衝がまとまらず、相続手続きの完了しない不動産がさらに増えることが見込まれています。

現在、インターネットで検索していただけると様々な不動産業者や士業者の会社等が「有償」での不動産の処分を宣伝しています。

自分の権利を売却するのに何故お金を払わないといけないの?
きっと・・・正直なご意見かと思います。
実は、これを私は「正しい選択」だと思っています。
(あくまで私見です。様々な意見があることも承知しています)

ちょっと脱線しますが・・・
私は昨年、母を亡くしました。父は3年前に亡くなっています。
3人姉弟の末っ子で、姉が2人います。

相続を開始する前に、実は帰化申請もしておりました。
相続の協議はすんなりと終わり、実家の相続も無事に終わったのですが・・・
なんと韓国に母名義のマンションが有ることが判明しました。

外国(韓国)のマンションの相続、売却・・・実は1年以上経っていますが未だに終わっていません(汗)
そうなると、私の帰化申請が先に許可された場合、韓国のマンションの手続きは「一からやり直し」になってしまうので、

今回は残念ながら帰化申請の手続きを諦めました(泣)

つまり、相続時に知らなかった財産であっても後から出てきたら対応するしかありません。
もう知らないは出来ないんです。

話を戻しますと・・・
現在、インターネットで広告している不要になった不動産を引き取る場合の有償での価格帯を調べてみると、基本料金が60〜80万円と年間維持費の10〜15年分の費用+消費税というのが多かったです。

「じゃあ、不要な不動産っていうだけで処分するのに100万円前後も掛かるのか」

確かに安くはないと私も思います。
しかし、管理できない不動産で何か事件や事故があった場合、所有者の責任が全くないと言い切れないのが悩ましいところです。

私は、法務大臣認証の日本不動産仲裁機構という団体のADR調停人に登録されていますので「良い事も悪いこともハッキリとアドバイスする」ことをいつも心掛けています。

今後、相続登記も同様に義務化され、その不動産に過失のある事故等が起こってしまった場合を考えれば、逆に「あの時100万円払って処分しておいて良かった」と考えた方が、残された相続権者の方々に対して行える「終活」と思えば、一概に勿体無い費用ではないかもしれません。

今回、A社にてBさんと面談し内容をご理解いただいた上、福祉施設にご入居中のBさんに代わってBさんの資産の相続を予定されているCさんに引渡しの契約を代筆いただくことで、Bさんの不要な不動産をご処分させていただきました。

諸事情により、他の相場価格よりは相当安価にさせていただきました。
(費用につきましてはご相談に応じています)


誤解のない様に申し上げますが、弊社で引き取った場合、棚卸資産になってしまいますので物件確認等の調査を行い、商品化出来るものは当たり前ですが再販をしています。
(実際、商品化出来る不動産が多いわけではありませんが)

有償で引き取った不動産が商品化出来た場合、弊社は当然利益を得ることにはなりますが、これにつきましても事前にお客様にご説明しています。

正直な本音を言えば「ご成約おめでとうございます!」ということではないかもしれませんが、所謂動産」の処分が出来たことについてはおめでとうございますと言えると思います。

ちょうど、私の年代が相続権者になる時代になってきました。

相続問題は今、身近にある問題であることを今一度ご理解いただき、この様な「負動産」をご所有の方々には賢明な判断をしていただくことが残された相続権者に対する思いやりなのかな。

そんな風に思ったお取引でした。

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