Gio Code 株式会社 成約物件

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『ちょっとイイお話』


平成30年10月11日
代表取締役 趙 勝一

平素は格別のご愛顧を賜り厚く御礼申し上げます。

去る7月頃、弊社の社員より相談を受けました。
社員:『私の母が叔母の成年後見人になりたいみたいなんです
とのことでした。

少子高齢化が進む現代では・・・まあ、ある話です。
私(趙)『じゃあ、司法書士を紹介したらいいのかな?』
と、尋ねると

社員:『相続の物件も有るみたいなんです・・・大分に』
私(趙)『はい?』

ややこしくなりそうなので、話を整理しました。

【登場人物】
・弊社社員(A)埼玉県
・弊社社員の母親(B)埼玉県
・弊社社員の祖母(C)東京都
・弊社社員の祖母の妹(D)東京都
・弊社社員の祖母の妹の息子(E)大分県
・弊社社員の祖母の妹の息子の義母(F)大分県

【時系列】
・Fはかなり以前に他界されていた
・Eが今年、他界された
・Eの法定相続人がDのみである
・Dが高齢者の為に意思表示に問題がある
・Dの養護施設の方と相談して、Bが成年後見人にと打診された
・BがAに相談した
・Aが私に相談して来た

よくよく聞くと、かなりややこしかったです(汗)

大分県の職員の方が法定相続人であるDを何とか探し出し、やっと連絡が取れたのがEの他界後、半年近く経過してからでした。

高齢化が進んでいる昨今、この様な事案はどんどん増えて行くことが懸念されています・・・私としても働いてくれている社員の為ですから一肌脱ぐことにしました。

成年後見制度とは?
成年後見制度とは精神上の障害 (知的障害、精神障害、認知症など)により判断能力が十分でない方が不利益を被らないように 家庭裁判所に申立てをして、その方を援助してくれる人を付けてもらう制度です。

たとえば、一人暮らしの老人が悪質な訪問販売員に騙されて高額な商品を買わされてしまうなどといったことを最近よく耳にしますが、 こういった場合も成年後見制度を上手に利用することによって被害を防ぐことができる場合があります。

 また、成年後見制度は精神上の障害により判断能力が十分でない方の保護を図りつつ自己決定権の尊重、残存能力の活用、 ノーマライゼーション(障害のある人も家庭や地域で通常の生活をすることができるような社会を作るという理念)の理念をその趣旨としています。
 よって、仮に成年後見人が選任されてもスーパーでお肉やお魚を買ったり、お店で洋服や靴を買ったりするような日常生活に必要は範囲の行為は本人が自由にすることができます。

弊社が良くお願いしている司法書士さんにBと面談、Dと面談し家庭裁判所に成年後見人の申し立てをし、並行してE⇒Cへの相続の手続きを開始しました。
(今回は法定相続人が単独なので「財産分割協議」は行われません)
成年後見人が決定しましたら、相続人の成年後見人として相続物件(マンション)の管理人へ連絡し、私が8月のお盆休みを利用し大分県へ行ってまいりました。

ところが、問題が2点ほど発生・・・
@あまりに古い物件だった為、現行の区分所有法で一般的な管理組合がない
(これですと、結構売りづらくなります)
AEが入院後に亡くなっていらっしゃったので物件の中(占有部分)が入院前のそのままの状態で放置されていた

参りました・・・
さすがに大分県の物件の販売力がない上に、部屋の中は結構な散らかり様で・・・このままでは何もすることが出来ません。

そこで1ヶ月ほどかけて現地で「遺品整理」してくれる会社を探し、マンションを「査定」してくれる不動産屋を探し、綿密な計画を立て9月中旬の土〜月曜日を利用して再度、大分に入りました。




それなりに家の物が全てなくなりましたので『空状態』にはなりましたが、このままではさすがにリノベーションをかけないと販売が難しそうで、正直、大分県の建築業者のツテもないので困っていたところ・・

救いの神が降臨しました(喜)

今回、査定を依頼した地元の不動産屋が「GioCodeさん内装屋のアテもないでしょうし、変なリノベーションされて売りづらくなったらお互い困るだろうから、改修工事費分は安くなっちゃうけど買取しましょうか?」と仰って下さいました。

九州地方の販売力が無い弊社にとって、このお話はありがたく成年後見人のBに伝え、もちろん快諾頂けましたので商談を進めることになりました。

ただし、成年後見人が居住用の不動産を処分する場合は裁判所の許可が必要なのは当然ですが、居住用以外の不動産を処分する場合は裁判所の許可が不要ない代わりに「裁判所と協議」するのが一般的です。

これから時間は掛かりますが、売却に向けて一歩前進です。

相変わらず前振りが長くなりましたが、ここから「ちょっとイイ話」です 弊社に「遺品整理」の終わった(立ち会って持ち帰りを希望した)荷物が到着しました。

弊社関係者A・Bは大分の当事者E・Fを全く存じておりませんので何が必要で何が不要か全くわかりませんでした。
・Eと思われる写真⇒必要(Dへ)
・建物に残っていた現金⇒必要(Dへ)
・鍵⇒どこの鍵か不明(弊社保管)
・手紙⇒達筆すぎて殆ど読めなかったので(Dへ)

大体の整理が終わったところで、一冊のアルバムが出てきました。
「愛媛懸立宇和島高等女學校」と書かれた卒業アルバム
なんと昭和8年!(写真屋の電話番号はなんと三桁しかない)




随分古いなんて代物ではありません。
私の両親すら産まれていない時代の卒業アルバムです。
当然ですが第二次世界大戦前です。



このアルバムはFさんの卒業アルバムの様でしたので、弊社で対応を検討し、A・BはC・Dに話をし了承をいただけましたので・・・

愛媛県立宇和島南中等教育学校へ寄贈することにしました!
(今年度は開校120周年だそうです)

寄贈した卒業アルバムは学校の資料室に保存・整理され、ご丁寧に御礼のお手紙と記念品を頂戴させていただきました。



昨今の時代背景やこれからの日本の人口減少(数十年後の日本の人口は4000万人台へ突入するとの見方もあります)に伴う地方の過疎化等、日本は様々な問題を抱えており、今後、この様な案件は一層増えて行くのではないか?と考えております。

今回、弊社は社員の親族の問題から、商売を目的とせずに取り組ませていただきましたが、もしかしたらこの様な案件が増えて行くのかもしれません。

現在、空家対策の小規模特例等、法整備が進んでおり、
「こんな地方のマンション持っていても・・・」
「もう田舎には戻らないし・・・」
色々な方がいらっしゃると思います。

そんな中でも、事業者として故人や相続権者の方々のお役に立てた今回の手続きは、その方々の人生を思い返せる素敵な仕事なんだなと感じました。

ちょっとイイ話でした(笑)

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